家電の待機電力はどれくらい?電気代を抑えるための確認と対策
家電の待機電力とは
多くの家庭で使用されている電化製品は、電源を切った状態でも、リモコン操作を受け付けたり、タイマー設定を維持したり、情報を記憶したりするためにわずかな電力を消費しています。この電力を「待機電力」と呼びます。
待機電力は個々の家電で見ればごくわずかな消費量に思えますが、家庭内の多くの家電が積み重なると、年間では無視できない電力量となることがあります。
待機電力は年間でどれくらいになるのか
資源エネルギー庁の調査によると、待機電力は家庭の年間消費電力量の約5%を占めるとされています。これは、例えば年間電気代が12万円の家庭であれば、年間約6,000円程度が待機電力によるものという計算になります。もちろん、これは平均的な数値であり、家庭で使用している家電の種類や数、古さによって変動します。
特に待機電力が多いとされる家電の例としては、リモコン操作で電源が入るタイプのテレビやレコーダー、エアコンなどが挙げられます。また、最近の家電は省エネ化が進んでいますが、古い家電の中には比較的多くの待機電力を消費するものも存在します。
待機電力の確認方法
ご自宅の家電の待機電力を正確に把握するためには、市販されている簡易電力測定器(ワットモニターなど)を使用する方法があります。コンセントと家電の間に入れることで、稼働時の消費電力だけでなく、電源オフ時の待機電力も測定できます。これにより、どの家電がどれくらいの待機電力を消費しているのかを具体的に知ることが可能です。
全ての家電を測定するのは手間がかかりますが、特に古い家電や常時コンセントに繋ぎっぱなしにしている家電から試してみるのも良いでしょう。
待機電力を減らすための具体的な対策
待機電力を削減するための対策はいくつかあります。実践しやすい方法から試してみることをお勧めします。
1. 主電源を切る
リモコンだけでなく、本体に主電源スイッチがある家電の場合は、使用しない時に主電源を切ることで待機電力をゼロにできます。パソコンのモニターなども、主電源を切る習慣をつけることで節電につながります。
2. コンセントから抜く
最も確実な方法ですが、頻繁に使用する家電や、コンセントが抜き差ししにくい場所にある家電には向きません。長期間使用しない季節家電(扇風機やヒーターなど)や、旅行などで家を空ける際には有効な対策です。
3. 個別スイッチ付きのOAタップを使用する
複数の家電を接続できるOAタップの中でも、それぞれの差込口に個別スイッチが付いているタイプがあります。これを使えば、使用しない家電だけスイッチを切ることができ、待機電力のカットが容易になります。頻繁に使用するけれど待機電力が気になるテレビ周りやパソコン周りの機器に導入すると効果的です。
4. タイマーを活用する
設定した時間になると自動的に電源をオフにするタイマー機能付きの製品(タイマーコンセントなど)を使用するのも一つの方法です。例えば、夜間に使用しないWi-Fiルーターなどをタイマーで自動オフにすることで、待機電力を削減できます。ただし、使用時間帯がまちまちの家電には不向きです。
5. 省エネ設計の家電を選ぶ
家電を買い替える際には、省エネ性能の高い製品を選ぶことが、稼働中の消費電力だけでなく待機電力の削減にもつながります。最新の家電は待機電力も低く抑えられている傾向にあります。製品カタログや店頭の省エネラベリングなどを確認して選ぶと良いでしょう。
対策を始める上での注意点
全ての家電で待機電力対策を行うことが適切とは限りません。例えば、以下のような家電は、コンセントを抜いたり主電源を切ったりすることで不便が生じたり、機器に負荷がかかる可能性があります。
- 設定がリセットされる家電: タイマー予約や設定情報を記憶しているレコーダーや給湯器など。
- 常時稼働が必要な家電: 冷蔵庫、インターホン、火災報知機など。
- 充電が必要な家電: コードレス掃除機や電動歯ブラシの充電器など(ただし充電完了後は抜いても良い場合がある)。
- 頻繁な抜き差しで機器やコンセントを傷める可能性のある家電。
効果と手間、利便性を考慮して、どの家電で待機電力対策を行うか検討することが重要です。比較的効果が出やすく、かつ利便性を損ないにくい家電から始めるのが現実的と言えます。
まとめ
家電の待機電力は、日々の電力消費の中で見過ごされがちですが、年間で考えると一定の電気代を占めていることがわかります。個々の家電の待機電力を測定器で確認したり、個別スイッチ付きタップの活用、使用しない家電のコンセントを抜くなどの対策を講じることで、無理なく節電に取り組むことが可能です。
全ての待機電力をゼロにするのは現実的ではありませんが、特に待機電力の多い家電や、使用頻度が低い家電から対策を始めることで、電気代削減の一助となる可能性があります。他の節約術と組み合わせながら、ご自身の生活スタイルに合った方法で実践してみてはいかがでしょうか。