お風呂と給湯器の電気・ガス代を節約する具体的な方法
お風呂と給湯の光熱費を考える
日々の生活において、お風呂やキッチンでの給湯は欠かせないものです。しかし、これらの水回りにかかる電気代やガス代は、家計の中でも比較的大きな割合を占めることがあります。特に冬場など、お湯を使う頻度や温度設定が高くなる時期には、光熱費の上昇が気になるという声も多く聞かれます。特定の項目の節約が難しいと感じる方にとって、水回り、特にお風呂と給湯に関する具体的な節約方法を知ることは、家計改善の第一歩となるでしょう。ここでは、お風呂と給湯器の電気・ガス代を賢く抑えるための具体的な方法について解説します。
給湯器の設定温度を見直す
給湯器の設定温度は、光熱費に直接影響します。一般的に、必要以上に高い温度に設定している場合、無駄なエネルギー消費が発生している可能性があります。
多くの給湯器には、キッチン用と浴室用など複数の設定温度がありますが、まずは基本的な設定温度を確認してみてください。たとえば、キッチンでの洗い物には40℃、シャワーには40〜42℃程度が適温とされています。給湯器の標準設定が60℃など高めになっている場合は、使用する際に水で薄める必要があり、その分エネルギーが無駄になります。
適切な温度は季節や個人の感じ方によって異なりますが、まずは少し低めの温度に設定し、必要に応じて調整していく方法が推奨されます。例えば、夏場は冬場よりも設定温度を数℃下げることで、無理なく節約につなげられることがあります。専門家によると、設定温度を1℃下げるだけでも年間数千円の節約につながる可能性があるとされています。
追い焚き回数を減らす工夫
お風呂の追い焚きは、一度冷めたお湯を再び温めるため、多くのエネルギーを消費します。追い焚きの回数を減らすことが、ガス代や電気代の節約につながります。
- 家族が入浴する間隔を詰める: 家族が多い場合は、続けて入浴することで浴槽のお湯が冷めるのを防ぎ、追い焚きの必要性を減らせます。
- 浴槽に蓋をする: 入浴中はもちろん、入浴後もすぐに蓋をすることで、お湯の温度低下を抑える効果があります。断熱性の高い厚手の蓋や、複数のパネルを組み合わせるタイプの蓋がより効果的です。
- 保温シートを活用する: 浴槽に浮かべるタイプの保温シートも、お湯が冷めるのを遅らせるのに役立ちます。
他の家庭では、湯船にお湯を張る量を適切に調整し、追い焚きで追加する量を最小限に抑えるといった工夫も見られます。
シャワーの使い方を工夫する
シャワーは手軽である一方、長時間使用すると湯船にお湯を張るよりも多くの光熱費と水道代がかかる場合があります。シャワーの使い方を見直すことも、水回り全体の節約に繋がります。
- 流しっぱなしにしない: 髪や体を洗っている間など、お湯を使わないときはこまめにシャワーを止めましょう。
- 節水シャワーヘッドの利用: 節水効果のあるシャワーヘッドに交換することで、使用湯量を減らしながらも十分な水圧を得られる製品が多く出ています。これにより、ガス代や電気代だけでなく、水道代の節約にも繋がります。
- 適切な水圧に設定する: 必要以上に水圧を高く設定しないことも、湯量の節約に繋がります。
お風呂のお湯の再利用アイデア
入浴後の浴槽のお湯にはまだ熱が残っているため、これを再利用することで給湯の回数を減らすことができます。
- 洗濯に使う: お風呂の残り湯を洗濯に利用することは、多くの家庭で実践されている節約方法の一つです。特に汚れのひどいものを洗う際のつけ置きなどに活用できます。ただし、すすぎには清水を使用することが推奨されます。
- 掃除に使う: 玄関のタイルやベランダの掃除、拭き掃除などに残り湯を利用することも可能です。
- 植物の水やり: 冷めた残り湯を植物の水やりに使うこともできますが、入浴剤の種類によっては適さない場合があるため注意が必要です。
これらの再利用は、給湯にかかるエネルギーだけでなく、水道代の節約にも繋がる一石二鳥の方法です。
給湯器のタイプによる節約の視点
使用している給湯器のタイプによっても、効果的な節約方法は異なります。
- ガス給湯器: 設定温度を適切に保つこと、追い焚きを減らすことが主な節約策となります。エコジョーズなどの高効率タイプの給湯器であれば、ガスの使用量を抑える効果が期待できます。
- 電気給湯器（エコキュートなど）: 主に夜間の安い電気料金時間帯にお湯を沸かすため、日中の沸き増しを極力減らすことが重要です。必要な湯量を予測し、適切な設定をすることが推奨されます。
給湯器自体の買い替えは大きな出費となりますが、長期的に見れば光熱費の削減効果が大きい場合もあります。ご自宅の給湯器の特性を理解し、それに合わせた使い方をすることが大切です。
まとめ
お風呂と給湯にかかる光熱費の節約は、日々の少しの工夫から始めることができます。給湯器の設定温度の見直し、追い焚きの回数を減らす努力、シャワーの賢い使い方、そして残り湯の有効活用など、ここで紹介した方法はどれも比較的実践しやすいものです。
これらの方法を無理のない範囲で生活に取り入れていくことが、継続的な節約に繋がります。ご自身の生活スタイルやご家庭の状況に合わせて、できることから試してみてはいかがでしょうか。他の家庭の工夫や、ご自身の体験談なども参考にしながら、最適な節約術を見つけていくことが、節約を趣味として楽しむ上での醍醐味と言えるでしょう。